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空き家を解体して駐車場にすると良いの?費用やメリット・デメリット、方法を解説

「空き家があるんだけど、活用できないかな」

「空き家になっている家屋を解体して駐車場にしたほうが得なのかな?」

とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、現在の空き家を解体して駐車場にするメリットはさほどありません。

なぜなら、解体工事費用と駐車場の施工費用が高額なわりに、駐車場で得られる収入は少ないからです。

しかし、空き家の状態や、立地によっては、駐車場にしたほうが良い場合もあります。

そこでこの記事では、空き家を解体して駐車場にすべきかについて解説をしていきます。

収支のシミュレーションや、駐車場にすることのメリット・デメリット、解体方法まで説明しているので、空き家でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

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空き家を解体して駐車場にするメリット

空き家を解体して駐車場にするメリットは以下の通りです。

  • 初期投資が少なく、始めやすい
  • 維持費用が少ない
  • 転用・売却しやすい
  • 空き家の倒壊リスクをなくせる

それぞれ詳しく解説していきます。

初期投資が少なく、始めやすい

空き家を解体して駐車場にするメリットの1つに、初期投資が少なく始めやすいという点が挙げられます。

駐車場は、土地を整えるだけの簡単な施工だけで完成するため、アパート建設などと比べて初期投資が少なく済むのです。

具体的には以下で紹介しますが、100㎡(30坪)ほどの土地であれば、砂利の駐車場で約50万円、アスファルトの駐車場で100万円ほどの費用です。

一方、アパート建設の場合は軽量鉄骨で2,500万円~3,000万円かかります。

このように、空き地を収益化するための手段として、駐車場は初期費用が少なく始めやすいと言えるのです。

維持費用が少ない

空き地を解体して駐車場にするメリットとして、維持費用が少ないことが挙げられます。

駐車場は管理に手間がかからないからです。

仲介業者などに管理を委託した場合は、賃料の7%程度で済みます。

もちろん、駐車場の清掃や、契約者の振込などを全て自分で管理するならば費用は0円で抑えられます。

このように駐車場は、管理の手間が少ないため維持費用が少なく済みます。

転用・売却しやすい

空き家を解体して駐車場にするメリットとして、転用・売却しやすいということが挙げられます。

駐車場は、既に土地が整備されていて、解体するものもないからです。

アパートなどの場合、いざ土地を売りたいと考えても簡単には売却できません。

建物部分も含めて売却ができれば良いですが、解体しないと売却できないことがあるからです。

一方、駐車場はすでに建物がないため、簡単に売却できます。

また、駐車場のように何もない状態であれば、そこからアパートを建てたり、コンビニを建てたりなど、転用することも簡単です。

このように、転用・売却しやすいというのも駐車場のメリットの一つです。

空き家の倒壊リスクをなくせる

空き家を解体して、駐車場にしておくことで、空き家倒壊のリスクをなくせます。

空き家のままの状態だと、老朽化や地震などの災害により、倒壊してしまうことがあるからです。

空き家が倒壊し、近隣に被害を出してしまった場合、所有者にその責任が発生します。

実際に、豪雨被害による空き家の倒壊による近隣への被害の損害賠償として、300万円以上が請求された事例もあります。

空き家を放置してしまい、近隣に被害を及ぼしてしまうと、このような大きなトラブルを生み出してしまいます。

駐車場にすることで、こうしたトラブルを防止できることは大きなメリットと言えるでしょう。

ここまで、空き家を解体して駐車場にするメリットを紹介してきました。

では、空き家解体によるデメリットにはどんなものがあるでしょうか。

以下で紹介していきます。

空き家を解体して駐車場にするデメリット

空き家を解体して、駐車場にするデメリットは以下の通りです。

  • 固定資産税が増額
  • 収益性が悪い
  • 駐車場が埋まらないと収益が減る

固定資産税が増額

空き家を解体して駐車場にする場合、固定資産が6倍に増えるというデメリットがあります。

これは、固定資産税の軽減措置を受けられなくなるためです。

住宅用地であれば、固定資産税が通常の6分の1に軽減されるのですが、駐車場の場合はこの軽減措置が受けられないため、固定資産税が6倍になります。

そのため、固定資産税を上回る収益がでなければ、空き家を解体してもかえって経済的負担が増える結果になってしまうのです。

記事の下で、駐車場の収益シミュレーションもしているので、そちらと合わせて判断をしてみてください。

収益性が悪い

駐車場経営のデメリットとして、収益性が悪いということが挙げられます。

リスクが小さい分、リターンも小さいのです。

駐車場の売上は、駐車できる数×1台あたりの料金で決まります。

そのため、月額10,000円の賃料で、5台の駐車場の売上は、10,000円×5台×12ヶ月で年間60万円です。

一方、同じ広さの土地に2階建てアパートを建てた場合、月の家賃が8万円ならば、年間768万円の売上が見込めます。

このように、駐車場はリスクが小さいぶん、得られる売上も小さいというデメリットがあります。

駐車場が埋まらないと収益が減る

駐車場経営のデメリットは、駐車場が埋まらないと収益が減るということです。

駐車場を作ったからと言って、必ずしも全ての駐車スペースに契約が入るわけではありません。

5台の駐車スペースのうち、3台しか契約が取れなければ、年間で赤字になってしまうことも十分考えられるのです。

このように、駐車場の経営には大きくはないものの、様々なデメリットが存在します。

では、結論として、駐車場経営をしたほうが良いのかどうかを判断するため、以下で収益シミュレーションをしていきましょう。

駐車場運営した場合としない場合の収支比較

空き家を解体して駐車場を運営した場合と、現状のまま維持した場合の年間の損益を比較してみましょう。

土地などの条件は以下の通りです。

  • 土地の大きさ:30坪(約100㎡)
  • 1台あたりの駐車スペース:約15㎡
  • 通路スペース込の駐車可能打数:5台
  • 駐車場稼働率:80%
  • 月額賃料:6,000円
  • 土地評価額(1㎡あたり):100,000円

この条件で駐車場を運営した場合と、空き家のままの場合の年間損益は以下の通りです。

年間損益 96861.6 -52800

駐車場を経営した場合、年間収支が96,862円です。

一方、空家の場合は、売上・費用はかからず、固定資産税・都市計画税のみ発生するため、-52,800円です。

売上、費用の簡単な内訳は以下の通りです。

年間売上 285120 0
税金 -168300 -52800
運営費 -19958.4 0

この数字だけ見ると、駐車場に変えるほうがお得ということがわかると思います。

しかし、空き家を駐車場にする場合は、初期費用として、解体工事費用と施工費がかかります。

この条件の土地の解体工事費用・施工費用の相場は、約350万円です。

駐車場にした場合、年間でお得になる金額は約15万円です。

しかし、初期投資費用で350万円かかるので、初期投資費用を回収して利益を出すためには、約24年かかる計算です。

これだけ聞くと、駐車場はお得ではないと思う方が多いと思いますが、実際には自分の所有する空き地の評価額や、駐車場料金で大きく変わります。

そこで、以下では各売上や費用の計算方法について紹介をするので、自分の例にあてはめて計算してみてください。

駐車場売上の計算方法

売上の計算方法は以下のとおりです。

年間売上 = 月額賃料 × 駐車可能台数 × 稼働率 × 12ヶ月

月額賃料は、近隣の駐車場の平均価格を目安にしてみてください。

ここでは月額6,000円として想定します。

駐車可能台数は、国土交通省の駐車場設計・施工指針によると1台あたり、長さ6.0メートル×幅員2.5メートルの15㎡として計算をします。

これに加えて、車が通行するスペースも必要なので、1台あたり20㎡を想定値として考えておくと良いでしょう。

ただし、土地の形や、道路との接地面の状況で駐車可能台数は変わるため、参考程度にお考え下さい。

ここでは、約30坪(100㎡)の土地として、最大5台がおけ駐車場を想定します。

稼働率は、最大可能台数に対してどの程度契約してもらえるかの割合です。

ここでは稼働率80%(5台中4台契約)の状況を想定します。

この前提を元に計算した年間の売上は以下のとおりです。

月額賃料6,000円 × 駐車可能台数5台 × 稼働率80% × 12ヶ月 = 年間売上288,800円

次に、駐車場にかかる税金の計算をしていきましょう。

駐車場にかかる税金の計算方法

駐車場にかかる税金の計算方法は以下の通りです。

固定資産税 = 土地評価額 × 1.4%

都市計画税 = 土地評価額 × 0.3%

土地の評価額 = 坪単価(㎡単価) × 坪数(㎡数)

まずは、自分の土地の評価額を調べましょう。

以下のサイトで、地名を検索すると調べられます。

参考:トチノカチ

今回は、土地の評価額が㎡あたり100,000円の100㎡(約30坪)の土地を想定した場合の各種税金は以下の通りです。

土地評価額10,000,000円(100,000円×100㎡) × 1.4% = 固定資産税140,000円

土地評価10,000,000円(100,000円×100㎡) × 0.3% = 都市計画税30,000円

駐車場にかかる税金は、合計で170,000円の税金がかかることがわかりました。

駐車場の管理にかかる費用の計算

年間の駐車の管理にかかる費用の計算は以下のとおりです。

管理費用 = 駐車場の賃料 × 7% × 12ヶ月

駐車場の管理は、管理会社に依頼した場合、賃料の7%が相場です。

全ての管理を自分でやる分には費用は発生しません。

ここまで、駐車場の年間のランニングコストが把握できました。

以下では、空き家を解体し、駐車場として施工するための初期費用について解説します。

解体工事費用

駐車場を空き家にする場合の解体費用は、坪単価で10万円ほどが相場です。

単純に家屋を解体するだけならもっと安いのですが、実際には廃材処理などの費用がかかります。

解体工事費用に関する詳細は、以下の記事を参考にしてみてください。

参考:家の解体工事費用相場と坪単価!安くする方法は?

駐車場の施工費

砂利の駐車場をつくる際にかかる費用単価の相場は以下の通りです。

項目 単価
施工費(砂利) 1㎡5,000円
車止め 1個8,000円
区画用ロープ 1m30円
ペグ 1本500円

アスファルトの駐車場をつくる際にかかる費用は以下の通りです。

項目 単価
舗装 1㎡8,000円
車止め 1個8,000円
白線 1台30,000円

約30坪(100㎡)の駐車場で、5台程度の駐車台数を見込む場合、砂利の駐車場では約500,000円、アスファルトの駐車場では100万円ほどかかります。

以上が、空き家を解体して駐車場にするために必要な費用と、運営費用でした。

ここで紹介をした計算式を元に、自分の持つ空き家を駐車場にすることがどの程度お得なのかをチェックしてみてください。

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